【食のコラム】受け継がれる志とプロフェッショナルたちの誓い
【食のコラム】受け継がれる志とプロフェッショナルたちの誓い
〜第31回 物故者追悼法要と第16回 定時社員総会を経て〜
梅雨の晴れ間から差し込む日差しに、本格的な夏の訪れを感じる季節となりました。読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
去る7月6日、私たち出雲記念館のキッチンスタッフが会員として所属する「一般社団法人 全日本司厨士協会 北陸地方 福井県本部」の令和8年度 第16回 定時社員総会、および「第31回 物故者追悼法要」が執り行われました。
私にとって、早朝の清掃から法要、総会、そして夜の懇親会にいたるまで、料理人としての原点と誇りを改めて胸に刻む、非常に濃密で忘れられない一日となりました。
■ 感謝を「行動」で表す——早朝の清掃と、厳かな法要での大役
一日の始まりは、清々しい朝気が満ちる早朝の大安禅寺でした。
これまで福井、そして日本の西洋料理界の普及と発展に尽力され、大いなる礎を築いてこられた先達が眠る慰霊塔。その周りの草むしりや、参道の掃除を会員全員で行いました。お客様からは見えない場所でどれだけ誠実に下準備ができるかという、料理の世界の「仕込み」に通じる大切なひとときです。
その後営まれた「物故者追悼法要」では、大変光栄なことに、私が司会進行という大役を務めさせていただきました。
美しく清められた本堂に響く読経の中、先達への深い感謝の祈りを捧げるとともに、歴史を繋ぐ一員としての責任の重さに、身が引き締まる思いでした。
■ 組織を支える裏方として——総会での確かな一歩
場所を移して開催された「第16回 定時社員総会」は、宮中を支えた福井県出身の伝説の「天皇の料理番」秋山徳蔵氏が初代会長を務められた、非常に歴史ある組織の重要な節目です。
ここでも私は、会計報告の登壇や、諸先輩方の功績を称える各表彰の準備など、総会の運営を支える裏方業務に奔走いたしました。
福井の西洋料理界を牽引するプロのシェフたちが一堂に会する場。その熱気と心地よい緊張感の中で交わされる議論をサポートしながら、この組織の一員として活動できる誇りを改めて実感いたしました。
■ 最後はやはり厨房へ——懇親会で振る舞う「料理人の魂」
すべての議事が無事に終了した後の懇親会。私の長い一日のクライマックスは、やはり「厨房」の中にありました。
この日は、福井の味を知り尽くしたプロのシェフたちを迎える懇親会の料理担当として、再び包丁を握り、火の前に立ったのです。
目の肥えた同志たちに振る舞う料理。これまでの疲れを吹き飛ばすような厨房の熱気の中、一皿一皿に全力を注ぎました。「美味しかったよ」「さすがだね」と声を掛け合える仲間がいること、そして何より、自分たちの技術で人を笑顔にできる喜びを、一日の最後に肌で感じることができました。
■ 結びに代えて:すべての祝宴に、心を❤️に刻む美食を
早朝の清掃から始まり、司会、事務、そして料理——。
目まぐるしくも充実したこの一日を経て、私たちが今、出雲記念館でお届けしている「オマージュディナー」への想いは、さらに確固たるものへと昇華しています。
一皿の料理が、時に言葉以上に雄弁に「感謝の気持ち」を伝えることがあります。
新郎新婦様の大切な想いが、ゲストお一人おひとりの心に深く届くような、温度のある「美食」をお届けすること。それは、先達が遺してくれた精神であり、私たちが守り続けるべき約束です。
受け継いだ確かな技法と、この日新たに燃え上がった情熱を胸に、一食材、一工程にいたるまで、そのすべてに「心を❤️に刻み」ながら、おふたりの最良の日のためにこれからも全霊を捧げて調理場に立ち続けてまいります。
出雲記念館が贈る「美食のルネッサンス」に、どうぞご期待ください。
✨ エキスパートシェフ・山口より
